フィクション[]


便座の裏側を掃除するときは、決まって好きな男性をおもいうかべる。

ニュースキャスターよ、おねがい、平年並みって言ってくれ。毎年、今年が悲劇のヒロインになるのはもう、うんざり。

タクシーに乗っているときに、歩行者に顔を見られたくない。動物園の動物になったみたいな気分になるから。停止したときは、窓に貼ってある広告と歩行者の顔が重なるように顔をかたむける。

わたしから別れを告げたとき、「今後お前以上に好きな人できないわ」といった彼は、その3ヶ月後に恥ずかしげもなく恋人を作っていた(わたしより先に)。
久々に会って、「あのとき、俺たち付き合わなければよかったのかな〜」なんて言われたときは、呆れた。呆れたという言葉がぴったりだ。

12月は、一年の中で一番忙しい月になってしまった。会いたい人に会いたい、会えない!
「忙しすぎるとぐちが出るけど ひまな程つらいものはないですよ」って、おばあちゃんのことばを思い出して、がんばろうっておもう。

たぶん、しあわせなんだとおもう。


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