2016.11.24[]


目が覚めたら15時半だった。
単発のライブの遠征だったため2日間で2時間しか寝ていなかった。起きて洗面台の鏡を見たらとても酷い顔をしていた。
顔だけ洗ってリビングに戻り、元々母が自分のために買った座椅子にわたしは我が物のようにドスンと座ってボーッとした。朝食らしいご飯が食べたい…と思っていたが、母はキッチンで夕飯の支度をしている。今が夕方なのを思い出した。
夕飯を食べ終わった後わたしは村上春樹の小説を読んだ。夏頃に買ったその本はリュックの小さいポケットに入れっぱなしにしていて、昨日そのリュックを久しぶりに使って本と3ヶ月ぶりの再開を果たしたのだ。
わたしは集中力がないため小学校6年生から昨日までで約20冊の小説を購入したが、最後まで読めたのは7冊程である。だから今すらすら小説を読めていることが嬉しい。
もう日も暮れたし顔も髪の毛も酷いから誰にも会いたくないと思っていたが、家に一日中こもっているとなんだか息苦しくて眠れなくなることがよくある。だからコンビニにアイスクリームを買いに行きたいし、そのついでに本屋に寄って車の教習所に入所するときにもらった500円分の図書カードでまた新しい本を買いに行くことにした。こうやって一冊の本を読み終える前に調子に乗って新しい本を買うから未読の本が溜まって行くのだ。
家を出るときに自分宛の代引きの荷物を持った配達員とすれ違ったが、今はお金を払いたくない気分だったため知らないフリをして本屋に向かってしまった。
本屋に着くとまっさきに村上春樹の本が置いている棚に向かった。
なぜ今村上春樹の本ばかり読んでいるのかというと、夏頃にわたしとわたしの友達とわたしが憧れている人と3人で飲む機会があった。わたしは緊張してろくに喋らなかった中、友達と憧れの人は趣味が合って盛り上がっていた。その2人はLOSTAGEというバンドと村上春樹という小説家についてずっと話していた。どっちも名前は知っているのに語れるほどの知識を持ち合わせていなくて、その日は友達と憧れの人が仲良くなるだけで終わってしまった。自分の無知を悔やんだ。
そのことをずっと根に持っているわたしはとにかく村上春樹の本を読みたかった。ちなみにLOSTAGEのCDは既に全部集めてある。自分の執念深さにゾッとする。
500円の本か750円の本か悩んだ末、図書カードだけで買える500円の本を選んだ。とにかく今日はお金を払いたくない気分なのだ。
たまにわたしは音楽、映画、本などにどれほどの知識を持っているのか考える時がある。そんなのは高が知れているが、せめて自分はこれが好きでこれが好きじゃないと言えるくらいには知識を持ち合わせていたい。

ずっと劣等感を抱いているのだ。
穴ぼこになった自尊心を知識で埋めようとしているのだ。

そんなことを考えていたらコンビニに寄ることを忘れた。


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