メモリーエラー

繋がる 1/4



地鳴りする外へ戻ると、二人は車の中にいた。

アヴィーナは報告を待っているのか何も言おうもせず、じっとこっちを見ている。

一方エミリは俺を確認すると一瞬笑顔を見せる。


俺は黙って運転席へ乗り込んだ。





「ワシントンまで飛ぶ」


「…? どういうことデス?」



少尉から貰ったカードを見せる。



「核シェルターならひとまず安全だ、そこを目指す」


「DC地区は政府の要人が多いデスカラ、暴走したロボット達も沢山集まっている危険性がアリマス」


「知らねえな」


「ホワイトハウスに到着するより、この車両が粗大ゴミになる方が早いと思われマス」



この機械は分かってない。
何も俺は自分の身が惜しくてシェルターに向かったりするわけではない。




「彼女が何だか分かるか?」



エミリを指差しながらアヴィーナに詰め寄る。



「人間デス」


「まだ子供なんだよ、彼女を死なせるわけにはいかないんだ」




返事を待たずに車を発進させる。

ルームミラーから見えた後部座席に座るエミリは、どこか物悲しい表情をしていた。





「プランはあるのデスカ?」


「指揮系統は崩壊しているから合衆国軍を止めることはできない。ロボットの側を鎮静させるしか方法はない」


「しかしドウヤッテ?」


「具体的な案はとにかく、今はシェルターに避難だ。話はそれからだ」





この後どうしていいか分からないことを悟られるのが怖いのと、エミリと二人きりで現実逃避をしたい。

そんな理由も深く入り混じっている。

それから疲労も限界だ。



少尉に対してたいそう偉いことを口にしていた自分だが。

俺は別にヒーローでもなければ、救世主でもない。


実はたった一人の少女を救いたいだけであると気付く。


彼女の見る外の世界は、いつも理想的で美しくなければならないのだ。







⇒しおり挿入


⇒作品艫激rュー
⇒モバスペ脾ook