メモリーエラー

戦争 1/17




「アニー、デートの誘いに緊急連絡を使うな」



『レオ…! 助けてっ…』



「……?」




小さく怯えたような彼女の声が、スピーカーから伝わってくる。

ふざけている様子はまるでない。





「どうした、今何してる」



俺が問うとひくひくとすすり泣く声が聞こえた。
あいつがこんな弱気なんて…どういう…





『街中のロボット達が暴走しているの…』




我が耳を疑う。




『今、兵舎の自室。暴れ出した軍事用ロボ達の攻撃で司令部はほぼ壊滅、対ロボット軍の指揮も上官達が殺されて執れずに…皆孤立しているわ』




そんな…。




『窓から外を見たらね…も、もう……』




テレビ電話に設定したのか、画面に彼女のぐったりした顔が映る。

そして映像が移り変わり、窓の外の様子が映し出された。

逃げ惑う人々、飛び交う光線、地獄絵図。
そこでは街のあらゆるロボットが狂ったように暴走していた。


小さな画面から現れる非現実的なリアル。

映画のよう。





『まるで彼ら、何かに操られたみたい』



彼女はほっそりと呟いた。




「とにかくお前は無事なんだな、今から行くからそこで待って…」



『きゃああ!』



「ア、アニー!?」




彼女の叫び声と共に、砂嵐で映像が乱れる。



「アニーどうした! 何があった!」



激しく揺れる映像。

叫び声と共に何か黒いものがちらほら映っている。



『う……ああっ』



しばらくして崩れるように天井にピントが固まる。

そしてそれを覆うように、ベタッと、画面の向こう側から血飛沫が付着した。




「アニー!!」




為すすべもなく腕に向かって怒鳴りつけた。

返事はない。

血の合間から、勝ち誇るように黒い軍事ロボが通り過ぎるのが見えた。








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