メモリーエラー

おくすり 1/9






「レオ! 起きろ!」





……!



リチャードとアニーの顔が目の前に映った。

これは…

急に目の前が真っ暗になったかと思えば、気付けば二人の姿。


目が光に馴染む。



目を覚ましたのは、工場内の見慣れた場所だった。




「一体…」



俺は上半身を起こして辺りを見回した。

倒した戦闘ロボットの残骸が転び、床の色の新しい、ここは彼らと別れたあの場所であることに気付く。





「どうして…」



「もう、何回呼んでも起きないから死んだかと思ったわ」



目の前でアニーが立ち上がって腕を組んだ。




「レオ、一体何があったんだ」



リチャードがしゃがみこんで俺の顔を覗く。


それはこっちが聞きたいことだ。

俺はさっきエレベーターに乗っていたはずなんだ。

どうしていきなり。


まさか彼らと別れてから、ずっと夢を見てたとかそんななら、手柄は台無しいっそ自殺したいくらいだ。





「あ」




床に転がる換気扇。

天井を見上げるとはしごがあり、確かに外された跡の黒い四角形がそこにはあった。


俺は立ち上がる。

ちゃらんと音をたてて床に落ちるキーリング。

間違いない。





「…現実だ」



俺はそう呟いてカギを拾った。


おかしい、じゃあどうして俺はここに。



気になってトランスミッターで時刻を確認する。




3時55分。


時計はそう言っている。

エレベーター内で四時は過ぎていたはずなのに。




「で、本当に管理室にいったの?」



「行ったはずだ」



「はずって何よ、はずって」






どうやら、俺の記憶には重大な欠陥があるようだ。



非現実が現実と同じように記録されているのか。

現実が非現実としてこの場に構築されているのか。



とにかく俺にとって両者はかなり曖昧で、境界がない。







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