ERIKA

優しい 1/2





ローリッツ大佐は彼女を完全に信頼させるために、しばらくは本当に部屋にかくまってやることにしました。




今日は自分の分の食事を分け与えたり、シャワーを浴びせさせたり、髪を洗ってやったりなど、人道的行為の限りを尽くしました。




そして少女にユダヤ人を殺していることを万が一知られてはいけないので、毎度帳簿の仕事が終わると真っ直ぐに部屋に戻ることにして、彼女を殺すまでは普段の虐殺を我慢すると決めました。


何より彼女を殺すその時のことを考えたら、それだけで普段の欲求が満たされる気がするのでした。








23時を回った夜中、色々と疲れた大佐は今日はもう寝ようと、布団の中に潜り込みました。






人に気をかけるなど、こんなに疲れることなんだな。

まあ、これがそんなに長く続くわけではない。

少しの我慢だ。






そう思って何気なく少女を見ます。


彼女はイスに座ったままで、何をしたらいいのか分からないのかこちらをチラチラ見ては恥ずかしそうに目をそらしていました。





「こっちに来い。」






大佐は手招きします。



彼女はゆっくりうなずくと少し困ったように足を泳がせながら歩き、ベッドの近くに来ると立ち止まってしまいました。






………







「お前は立って眠るのか」





じれったくなって大佐は、少女の腕を掴むと布団の中に強引に引きずり込みました。





「あっ…」




布団の中で彼女を抱き込む。


最初は動揺しているようでしたが、徐々に自分の腕の中で体を預けていくのが分かりました。






ずいぶんと軽い女なんだな。





大佐は自分の胸にかかる彼女の黒髪を、指でそっととかしてやりました。






「…ナチスの人って私、みんなヒドい人だと思ってた…でも、あなたは優しいんだね」




少女は頬を赤らめがら上目使いで言いました。





「…本当なら私殺されてもおかしくないはずなのに……。助けてくれてありがとう」






「……。」







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