ERIKA

大佐 1/1




まだ第二次大戦が始まる前、ドイツはヒトラーを党首とするナチスという政党が政権を握っていました。


ナチスはドイツ人が世界で一番優秀な民族であるとし、ユダヤ人はそれをおびやかす最大の悪だと主張しました。


ナチスの政策により、ドイツ中のユダヤ人は差別・迫害されていきました。

ついにはユダヤ人やその他下等民族とされた民族は、収容所に囚人として収容されて過酷な労働を強いられ、使いものにならないユダヤ人たちは殺されていったのです。






そこでドイツのとあるユダヤ人強制収容所に、ローリッツ大佐というナチスの親衛隊員の男が所長として働いていました。


彼はとても残酷な性格でナチス親衛隊の中でも有名でした。


収容所と言っても彼の仕事は囚人(ユダヤ人など)の名簿登録や監督などの事務が殆どで、処刑の仕事はありません。

しかし裏ではユダヤ人を勝手に殺したりしていたのです。


本来労働力にならないと判断されたユダヤ人達は皆、毒ガスやピストルなどで殺すことになっていました。


しかしどういうわけかローリッツ大佐は、労働力があるなし関係なしに殺害し、その方法も地味なものを好みませんでした。



部下の中にも残酷な人たちがいて、ユダヤ人をゲーム感覚でピストルでパンパンと撃ち、殺した数を競っている者もいたようですが、ローリッツ大佐はそれは芸術的ではないと批判したそうです。


彼はより残酷でより美しく芸術的な殺し方を愛していたのです。



大きな水槽に入れて窒息死させたり
ガソリンを撒いて火を着け焼き殺したり
手足をそれぞれ一頭ずつの馬の首に繋がるよう縛り付け、馬を走らせて体が千切れる様子を鑑賞するなど、人間としての感覚を疑うようなものばかりでした。


挙げ句の果てにはそのユダヤ人たちの死体を犬に喰わせたりもしたのです。



ガス室担当の親衛隊員や収容所の残酷な看守らでさえ、その大佐の奇行を見て



「頭がおかしいのか」



「サディストの究極だ」



「それはひどすぎて真似できない」



と顔をしかめたそうです。


しかし大佐はそのように周りから言われると、嬉しそうに笑うのでした。



いつしかローリッツ大佐はユダヤ人達から、



「ダッハウの処刑人」



などと呼ばれるようになりました。


大佐の勤めていた収容所は、ドイツのダッハウという場所にあったのです。







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